文化財(市指定重要文化財)

岡宮神社御本殿

この御本殿は、松本藩主水野忠職公(水野家二代目)が寛文3年(1663年)改築奉献したものです。南面して建つその規模は、比較的大きな三間社流造りで、銅板葺の屋根、用材には上質のヒノキを使用しています。松本地方としては、数少ない江戸時代初期の建造物で、繁雑な組物や彫刻がなく、総体に直線部分が多く、簡潔な力強さを感じさせます。
神社建築において御本殿は、神様の鎮まる最も神聖な建物です。当神社の御本殿は、瑞垣で囲まれた禁足地に、さらに積み上げた石垣の上に、高床式の堂々たる三間社流造りの構えでそびえ立ちます。仰ぎ見るとき、鎮座する神様に寄せた深い畏敬の念と崇敬の心、そして城下町の益々の繁栄発展を願って受け継がれてきた祈りが伝わってきます。

 本殿 本殿西側

 

岡宮神社御神輿

この御神輿は、元禄13年(1700年)松本藩主水野忠直公(水野家三代目)により寄進されたものです。まさに華やかな元禄文化を象徴する造りで、朱漆、黒漆などを用いた豊な色彩と技巧をこらした彫刻や彫金金具で豪華に装飾され、かつ旧態のまま残されており、美術的工芸的にも価値の高い重要なものとされています。 神輿
また御神輿の基本構造である、瑞鳥の鳳凰が乗る「屋根」、御神体を納める「堂(どう)」、堅固な土台「台輪(だいわ)」のそれぞれ四面には、水野家の家紋「花沢潟(はなおもだか)」があり、特に御神輿の出自、寄進者を示すと言われる屋根紋と台輪紋のそれは金色に輝いています。御神輿は一年に一回行われる神社を代表するお祭り、例大祭の時にのみ、御本殿に鎮まる神様を乗せて氏子地域を巡幸する渡御の際に用いる、神様の乗り物です。まさに神々しい光を放ちながら町を進む神輿渡御の、当時の担ぎ手の氏子達の誇らしげな姿が想像されます。

今の本祭には、昭和の初期に造られた御神輿が使われています。文化財の御神輿は、別棟に納め保管されています。

 

 

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